4.10.2008

エンジェル/フランソワ・オゾン



若くして成功した美人作家(成功した作家としての“美人”(^^;))、大いに売れた作品以上に、大げさな程の夢の実現を、自分の身の上に、手繰り寄せた。

発言をする人が、主導権を握る。客観的な事実や合理性より、意志の力が、優先される、ことも、ほんとうである。
書きたいから書き、欲しい物を、力づく(強い意志の力、成金のお金の力)で手に入れた。エンジェル自身の力。
それだけで、済むのかー

ストーリーを追いながら、「今に危うくなる」とハラハラしてしまうのは、何故だろう?「満ちれば欠ける」という物の道理か?そんなに、なにもかも、想い通りに行く筈が無い、と。
果たして、自分の意志だけで、操れないことが、顕われてくる。戦争。人の心。生あるものは、とどまらない。時代の嗜好/指向も移り変わる。

あとから姿を現す「もうひとりの女」は主人公と対照的だった。その女は、運命を自分の力で切り拓こうとはしていない。ぬけぬけと(然う言って悪ければ)軽々と、美しい!階級的に言えば、彼女が高位、エンジェルは一般人。世に出る職業婦人として、エンジェルがプロ/エリートで、彼女は、一般人にすぎない。
だから、勝ったり負けたりしているわけではない。
エンジェルの19世紀的な真紅のドレスも、もうひとりの女のアール・デコ調の淡色のワンピースも、大変魅力的だ(^o^)/~~~~

ボランティア秘書のノラは、嘘をついても、誠実な女性。都合良く利用されただけ、かもしれない、しかし、それも、ノラの意志に拠った。編集者の男性とともに、エンジェルのサポーターである。

他にも、重要な女性として、編集者の妻がいた。さすが!麗しのシャーロット・ランプリング!圧倒される見識と姿勢、疎かには出来ない理想の女振りー 少々枯れているが。