5.15.2009
阿修羅
「Story of …めぐり逢う美の記憶」(物語付きのカルティエ宝飾展/表慶館)を見に行った際、
横目で見て、余所事に思っていた「阿修羅展」の行列に、昨日、並んだ。
優に1時間。
並んでまで見るものか?と、訝しみつつ、友人に招待券(想定外)を貰ったのを無駄にしないよう(^^;)
1時間の間、読み進めた文庫本は「劔岳」(新田次郎)。命懸けで、凍える山に登る話である。読む私の周りは、緑の風、爽やかな五月の陽光に照らされて紙の上も明るい。
この本のお陰で、立ちながら待つ時間の”苦痛度”は下がったに違いない。
館内も(当然ですが)たいへんな人出で、どうなるものか、と思ったがーーー
阿修羅像は、輝いていた!以前、興福寺で、面会したことはあったが、その時よりー
また、本やポスターの写真よりー遥かに美しいと思った。
展示の仕方や照明のお手柄だと思う。嘘の美しさというのではない。本当に美しいからだと思う。しかし、これほど美しいとは!見せ方の上手さであろう。
他の、大きな仏頭や小さな水晶玉、色々なものも、見易く、見栄えよく、展示されていた。
阿修羅は、素晴らしいお顔、腕の細さも格好よい。手の指は、子供っぽい、これは、当初のものだろうか?
正面のお顔に比べて、左右の二人?の面は、気合いが足りない (;´д`)
常設展のほうにも、廻って、ゆっくり見る。(こちらは観客も疎ら)
序で、オマケと思うせいか、だらりだらりと(^^;)
一着(一領?)の鎧下着に目が留まった。
身頃は、産着を、袖は、女物の小袖を利用して作られたもの。白い絹と金の縫い取りが上質。
パッチワークのようなものだが、とてもデザインが良く、好ましかった。
鎧の下に着せるものとして、その人を、大事に包んだろうー
幸運を願われた人の姿を想像した。
そのあと、「尼門跡寺院の世界」展にも行く。
まことに愛らしい品々を見ることが出来た。一つひとつに、濃やかな手、時間が掛けられていて、長閑で、真摯な生活、豊かな文化を見る。
中には、凄く頼もしい尼様もおられたことが分る。
筆頭は、徳厳理豊尼という方。絵も、お上手だが、雄渾なる墨痕には吃驚した!
敬虔であり、責任感と実行力があり。
「阿修羅展」に名のある橘三千代(所持の阿弥陀三尊の素晴らしいこと!)も、よく解らないが?ゴッド・マザー。エネルギーと幸運に恵まれていたひとだろう。ヨソゴトながら(^^;)