あさやけの宮殿、夕日に照らされる黄昏の宮殿、降り続く雨に濡れる宮殿や、観光客で賑わう宮殿、静寂の中でひっそりと佇む宮殿、幻想的な宮殿…。かっての皇帝や将軍達の心の中には、宮殿のどんな姿が焼き付いているのだろうか。
いつの間にか、私は、広大な宮殿の中で、時空の迷路に迷い込んでいました。
(中略)
宮殿が持つパワーは、雄大さの中だけに存在するものではなく、むしろその静謐さの中にこそ存在するものなのです。そして、この場所で暮していた全ての人々の中に。
この場所で走り回り、この場所に触れ、喜び、苦悩し、悲しみを味わいながらの誇りに満ちた毎日を過ごし、来世も今と同じく非凡の人生になることを願っていた彼らの存在を、写真を通して感じてもらえたら、と思っています。
(中略)
こうした人々の想いは、少しも色あせることなく、今もここに残っているのです。